2019年12月31日

第8回静岡書店大賞のご報告

12月3日(火)17:30~18:30、第8回静岡書店大賞授賞式を行いました!3年前からグランディエールブケトーカイ4階にて「しぞ~か本の日!」の一環として行っており、今年は大商談会、懇親会と同じシンフォニー会場で開催しました。


3年間、ロビーで開催してきましたが、後方からは見えない等、様々な課題がありました。取次店の方々はじめ出版社さん、書店員さんなど、皆さんのご協力により、会場の入れ替えもスムーズで、大変ありがたかったです。垣根を越えた取り組み、年を重ねるごとにパワーアップしてきております!皆様に感謝です。


まずは大商談会が13:00~16:20まで行われ、昨年より1社多い115社にご出展いただき、大盛況でした。3時間20分と長丁場ですが、時間が足りず全部まわりきれないのが残念、申し訳なくも思います。今年も、県内の図書館員さんが参加され、その図書館さん担当の書店員、同じ地区の書店員がアテンドをしながらブースをまわりました。普段手に取れない本や新刊本を知ることができ、図書館員さんにも大好評でした。ご出展くださった出版社の皆様、本当にありがとうございました。


シンフォニー入口手前で、今年も静岡書店大賞のグッズ販売をさせていただきました!昨年に続き、今年も戸田書店の鈴木さん、江崎書店の新村さんが活躍してくださり、缶バッジ、クリアファイル、ブックカバー等、お買い上げくださった皆様、ありがとうございました。そして募金へのご協力もいただき、感謝です。亜紀書房さんにも多大なるご協力をいただき、心より御礼申し上げます。


さあ、いよいよ授賞式が始まります。今年は授賞式もシンフォニー会場!今までの縦長のロビーと違い、かなり広く、見やすくなりました。余裕があり、良いなぁと感じました。


まずは事務局長の宗形さん(MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店)からご挨拶→副賞をご提供くださった横断バッグのミヤハラの杉山さんから一言をいただきました。

ご来場の皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。丸善ジュンク堂書店の宗形と申します。多くの方々のお力添えのおかげで、今年も授賞式を行なえます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

この静岡書店大賞も、今年で8回目を数えますが、今回は、書店員565名、図書館員156名、合わせて721名の投票を頂きました。皆様の投票があって初めて、素敵な受賞作を見出すことができます。本当にありがとうございます。
さて、令和初の授賞式となる今年ですが、平成最後であった昨年に引き続き、一般読者の方々をお招きしています。また、受賞作の読者レビューコンテストも開催いたします。

他に変わったところと言えば・・・会場が広くなったことでしょうか。昨年までは、ロビーで行なっていた授賞式ですが、今年の試みとして、この「シンフォニー」に会場を移しております。こうして、わずかではありますが年々変化している授賞式ですけれども、私達がやりたいことは変わりません。ここで選ばれる作品たちは、私たちが「県民読者に最も読んでもらいたい本」です。この「最も読んでもらいたい本」を一人でも多くの読者に届けるために、今後も活動して参ります。引き続きご支援いただけましたら幸いです。

また、静岡書店大賞では、毎年、静岡に所縁のある企業さまに、副賞をご提供頂いております。今年は、「横断バッグのミヤハラ.,」様にご提供頂きました。本日は、代表取締役 杉山妙子様、企画・営業 杉山司様をお招きしています。それでは、杉山司様にご挨拶いただきます。よろしくお願いいたします。

宗形事務局長から、副賞ご提供のミヤハラの杉山さんへマイクをバトンタッチです。

受賞者の皆様、このたびはおめでとうございます。静岡で小学生用通学カバン、横断バッグ製造・販売をさせていただいております、ミヤハラの杉山と申します。

子どもたちが使う物として、長年作り続けてきた横断バッグも、最近では交通安全に興味がある、大人の方が「かわいい」と言って使っていただけることがとても増えました。本も同じで、子どもの頃には冷たく見えていた登場人物が、大人になって読み返すと実は優しく魅力的な人物だったりすることがたくさんあります。時間が経つと、また違った楽しみ方や味わいが分かる、そんな共通点を感じながら、今日という日を楽しみにしてまいりました。

 本日はこのような名誉ある賞の記念品に弊社の横断バッグを選定していただきましたことに深く感謝申し上げますとともに、この会が益々盛り上がることを記念して、ご挨拶にかえさせていただきます。おめでとうございます。

静岡市民にはおなじみの横断バッグ、子どもの頃からなじみのバッグは、大人になるとまた新たな魅力に気づかされます。杉山さんのおっしゃるように、本も同じですね。とても嬉しいお言葉をいただきました。


司会は昨年に引き続き、㈱GOTO TSUTAYA事業部の田畑亜希子さん、ステージ補佐役は今年も貝塚知香さん(精文館書店 TSUTAYA佐鳴台店)です。安心のお二人です♪


まずは小説部門から。大賞作は、新潮社、伊与原新さんの『月まで三キロ』に決定いたしました!
静岡書店大賞 副事務局長の丸林篤史さん(谷島屋イオンモール浜松志都呂店)からトロフィー贈呈です。

伊予原 新と申します。このたびはまことにありがとうございます。静岡に来られて本当にうれしいです。

僕自身は静岡出身というわけでも、ここで暮らしたことがるというわけでもありませんし、『月まで三キロ』という短編集の中にも静岡が舞台になったのは一遍だけなんですねにもかかわらず、刊行からもう、まる一年になりますけども、そういう長きにわたって、県内の書店さんが本当に熱く応援してくださって、それがじわじわと全国に広まって、版を重ねることができ、そういう意味で、本当にこの『月まで三キロ』は静岡発の作品になったなと、思っております。

僕はデビューしてもう9年が経とうとしているんですけども、僕程度の場合ですと、なかなか自分の本が一体どういう人たちに読まれて、どんな感想を持っていただいているのかっていうのが、なかなか分からないです。新刊がでましても、褒めてくれるのは各社担当編集者と、せいぜい昔の研究者仲間ぐらいでして。

僕は元々地球科学の研究をしておりまして、月まで三キロという短編集も、その分野の研究者がたくさん登場しますけども。実際、僕の周りの研究者っていうのは、皆さんご想像つくかと思いますが、褒めてくれるといっても、素直に褒めてくれるわけではない、というところでして。

典型的なとこで言いますと、ニヤニヤしながら「いやぁ!これはこれは伊予原先生。今回もなかなか力作でしたねぇ」みたいなことを言って、ってだんだん近づいてきてですね。「それにしてもあのラストのロジック、ああ言う非対称な命題は厳密には証明できないんじゃないの?」とかちょっぴり意味わからないことを言って、捨て台詞を残して去っていくとか、あるいはですね、ちょっぴり真剣な顔で近づいてきたかと思うと、「教授を殺しちゃう犯人の若手研究者って、僕がモデルだよねぇ?」とか、ほとんど被害妄想のようなことを言って立ち去って行ったりだとか、もちろん僕は、そういう形でしか親愛の情を示せない彼らのことをたまらなく好きで、だからこそ、こういう小説を書いているわけですけども、それでも流石に。もうちょっと。たまには違う反応も欲しいなと。本当に本が好きな、小説が好きな方々の反応が知りたいなと。僕ら書き手にとってはそれが、書店の皆さんであり、図書館のみなさんであるわけです。ですからこの度こうして選んでいただけましたことは、僕にとって本当に大きな誇りですし、自信になります。

この本を担当してくださった新潮社の川上さんと、いつか静岡にお礼に行きたいですねと、ずーっと言っていたんですけど、この度、それがこういう本当に願ってもない形で叶いまして本当にうれしいですし、これでまたもうひとつ静岡のみなさんに感謝を申し上げることが増えたなあと、思っております。

小説にとっては、なかなか厳しい時代が続いておりますけども、これからも腐らず媚びずに自分らしい小説を書き続けたいなと。それがいい作品であればきっと、書店の皆さんが売ってくださる、図書館の皆さんが推してくださると、そういうことを信じて書き続けたいなと思ております。今日は本当にありがとうございました。

『月まで三キロ』の「月」とは、浜松市天竜区の月地区のこと。看板の横にはとうとうたる天竜川が!自然豊かなのどかな所のようです。地球科学の研究者という伊与原先生、これからも惑星や天文を取り入れた、そして静岡が舞台の小説を書いていただきたいなぁと思います。

続きまして、映像化したい文庫部門。大賞作は、ポプラ社 いぬじゅんさんの『この冬、いなくなる君へ』です!静岡書店大賞 実行委員の秋山惠介さん(吉見書店 長田店)からトロフィーを贈呈です。

皆さんこんにちは、いぬじゅんと申します。先ほど、いぬじゅん(⤴)って呼ばれたんですけど、いぬ(→)じゅん(↘)です。※矢印はアクセントを表します。

このたびは本当に素晴らしい賞をいただきまして、ありがとうございます。とにかくこの賞をいただけたのも、静岡の書店員の皆様、図書館員の皆様のおかげだと思っております。そして、私の作品をいつも楽しみにしてくださっているファンの皆様のおかげです。あと……私の才能のおかげ。あっだめだ、干される(笑)

私デビューして五年が経つんですけども、いまとなっても初めて静岡の書店を挨拶まわりした時のことを覚えているんです。

初めは営業に行くものかどうかも分からずに、ご挨拶に伺ったんですけども、多分その時冷たくされてたら、もう二度と行けなかったと思うんですけども、どこの書店さんにご挨拶に行っても、皆さんすごく優しく迎えてくださって、それから新刊がでるたんびにご挨拶にいくと、本当に優しく。やっぱり静岡の方って天候と一緒で、穏やかな方が多いなと。ウマいこと言ったりして(笑) 感謝しているんです。ですので、この賞を、静岡の賞を頂けたということは、本当に私にとって意味のあるもので、この賞を頂けたら他の賞は要らない──ウソです。ください(笑)!

この作品『この冬、いなくなる君へ』という作品なんですけども、末吉という担当編集者と──今日来てますけども。一緒に一年以上かけて、時にはケンカもしながら作った作品で、末吉のほうから、「いぬじゅんさんのもう一つの代表作を作りましょう!」といわれて作った作品です。ですので、本当に感慨深いですし、こうやって信じて努力すれば夢はかなうということを実感しております。Dreams come true.私ドリカム大好きなので、映像化したときは是非ドリカムを……干される(笑)

これからもこの賞に恥じないように、静岡の地を静岡の書店員さん、図書館員さんと共に盛り上げて行ければと思います。12月5日明後日にはポプラ社から新刊が出るんですけども、『あの冬、なくした恋を探して』冬シリーズの第2弾が出ます。是非よろしくお願いいたします。これからも頑張ります。ありがとうございます。


いぬじゅんさん、とても気さくでお優しい、作品そのもののあたたかなお方でした!浜松にお住まいで、身近な作家さんというのも嬉しいです。お名前のアクセント、大事ですね。


続きまして、児童書名作部門です。大賞作は、こぐま社 にしまきかやこさんの『わたしのワンピース』です!静岡書店大賞 協力委員 八木麻美さん(静岡県立中央図書館)からトロフィーを贈呈。

皆さんこんにちは、にしまきかやこと申します。こんな会場だって全然知らずに、授賞式って言ってもどんなんで頂くのかな?と思いながらボケーっとしながらきちゃったら、こういうすごく派手な会場でこんな授賞式だとは、全然知らないで来ました。

そしてご挨拶の用意も何にもしていなんですけども、名作部門というので賞を頂いて、私も今年80になるんですけども、50年絵本を描いてきたんですね──いえ、53年描いてきたんだ。『わたしのワンピース』は、絵本を書き出してから3年目の本なんです。ですからわたしのワンピースは、世の中に出てから今年で五十年になるんです。

それで今年は、神奈川県のの近代文学館で、にしまきかやこ『わたしのワンピース』50年展って言うのをやっていただきまして。それで私は、「わたしの絵本人生はこれでもう終わりだなぁ」なんて思いながら感動してすごくうれしかったんですけども、50年やってくるとこういうことになるんだなと、展示を見ながらいたく感動して、「もう私の仕事は終わってる」と、思ってたんですね。そしたらまた今日、このようなおまけがつきまして、名作部門に選んでいただいて本当に、嬉しい想いです。本当にありがとうございました。

それでちょっとはお話しなければいけないかな?と、何を話したらいいかなと考えているんですけれども、こぐま社って言うのは本当に小さな会社で、出来たときに社長と事務の人ふたりだけの会社だったんですね。それで、できてから2年目に私は出会いまして、そして、「なんでもいいから描きなさい」と、こう言われたんですよ。「なんでもいいから」って言ったって、絵本のことはほとんど何にも知らずに、私は東京藝大を出たんですが、ちょっとは外国のイラストレーションっていう仕事の中に、絵本って言うのがあるなーって言うのは知ってたんです。そして、「子どもの相手をする仕事はいいなー」って思っていたんです。ただ、どこかで絵本っていう仕事を出させてくれるんだろうか?と、全然分からずに版画を作っていたんです。

そうしたらたまたま、こぐま社がリトグラフの絵本を作るっていうんで、私を見つけてくれて、そこで「なんでもいいから本を作って」って言われて。本当に、絵本なんて子どものころ全く読んだことのない世代ですから、どうやって作ったらいいか何にもわからないまんまに、こうめちゃくちゃに、自分の中で、「こうかなぁ?」って考えながら適当に描いたものが、最初の本だったんですね。

そして、最初の本を作って少しして、今度は勉強をしてそして、それが少しづつ世の中に出る、本屋さんに並んでいるのをすごく恥ずかしいと思いながらも、なんとなく、私もこれから絵本を描く人になるのかどうかなって、不安になりながらも考えて絵本なんだから、絵で作らなくちゃいけないってまず考えました。

そして、三年目に三冊目なんですけども、こぐま社で「わたしのワンピース」って言うのを描いたんですよね。これは私は心の中では、「絵描きとしてなかなかいいアイデアで、子どもに向けて描いたんだから、うまくいったかもしれない」と、思っていたんですけれど、本が全然売れないんですよね。

それは当時絵本って言うのは、3000部刷ったらいい方で、それでも少しづつ時々は刷り増しをしてくれるのかな?と思ったんですけども。まだ私はこぐま社に出会って三年目でしょう?だからなんだかよく分からないうちに、世の中が絵本ブームになったんです。あっという間にいろんな出版社が絵本を出すようになって。

そして私はこぐま社で三冊も出しているものだから、いろんな児童書を出版している会社からオファーが来て、「描いてください!描いてください!」って言われるようになって、それらはみんな原稿があるものに、絵をつけてたのね。そして、そっちは一応売れるわけですよ。

私は出版社だから、売れてお金がもらえるものは当然だと思って、仕事として選んだんですけども、こぐま社はなかなかそうはいかないんです。まあ、出来て二年目って言うのもあるんだけれども、まあ、社長がのんきだったって言うのもあると思うんですけども。そんなわけで、それが徐々に徐々に売れだして、そして5,6年たってからパッと、ちょっと大きく売れ出して、それからまた徐々に徐々に売れて、また徐々に徐々にっていうことを50年続けて、それで私はなんとなく、「『わたしのワンピース』が私の代表作かな?とはもちろん思ってたんですけれども。本当にこの10年はずーっと売れるようになって、わたしの生活も支えてくれるようになって、そして私は『わたしのワンピース』はここまで成長したんだから、もう私はすることないかな?と思って。

でもその間に、私も一応絵本作家ですから、120、30冊は描いたと思うんですね。ちゃんと数えたこともないんですけども、それぐらいは描いてきたと思うんですけども。やっぱり『わたしのワンピース』がずーっと売れるようになって、他の本が売れなくなってくると、前は『わたしのワンピース』より売れていた本があるんだけど、それがどんどんどんどん落ちてきて、なかなかそう上手くはいかないんだな、っていうのは、分かってきたんですけども。

それでも、こうやって本屋さんのおかげだったり、いろんな図書館のおかげだったり、いろんなところで私の本を読んでくれている。もちろん子どものおかげだと、私は思っていますけれども。そうやって、私の本が世の中に広まってきたっていうことは、本当に私にとってはこれ以上ない喜びだと思っております。「わたしのワンピース」それから、私の本いくつかありますので、これからもどうかよろしくお願いします。


にしまき先生は御年80歳!静岡書店大賞の児童書名作部門の著者さんがご出席くださるのは、実は初めてなんです。というのも、ロングセラー本の著者さんということで、他界されていたり、ご高齢で来静がかなわなかったり、ということで、今までも今後も難しい現実があります。なので今回のにしまき先生のご登壇はとてもありがたく、感激もひとしおでした。80歳とは思えぬお若くお元気なお姿に、頭が下がりました。

にしまき先生の横のお写真は、登壇待ちの受賞作家さんたちです。舞台裏の貴重な1枚、お見せしちゃいます。


続きまして、児童書新作部門の発表です。第3位は、学研 ういさん作、えがしらみちこさん絵の『しょうがっこうがだいすき』に決定いたしました!静岡書店大賞 実行委員 増田さん(マルサン書店 仲見世店)からトロフィー贈呈です。

こんばんは。三島市在住の絵本作家のえがしらみちこと申します。このたびはこんな盛大な買いに呼んでいただいて本当にうれしいです。

私がこの絵本のお話を頂いたのが、調べてみたらちょうど一年前。去年の今日、12月3日に編集の宮崎さんから「ういちゃんのお話を絵本にしたい」っていうご依頼を頂きました。私の娘もちょうど、次年度から小学校一年生になりますので、ちょっと先輩からのアドバイスを絵本にするって、すごい素敵だなと思って、「ぜひ絵をつけさせてください」と、受けさせていただきました。それで、文章を見てすごいういさんのお父様やお母様の愛情がすごいあふれていて、こんなに一個のテーマに絞ってずっとお話というか、説明を書くのって、そばで一緒に帆走して、応援したりとか、いいねって褒めてあげるお父さんやお母さんがいないと、なかなか小学校二年生じゃ、あんだけの文章を書けないだろうなって思って、「ああ、すごい愛情がいっぱいだな」って思て絵をつけました。

お見本じゃなくて、実用書みたいにならないように、「絵本ぽく年長さんが読んで楽しめるような内容にしたいね」っていうので、編集の宮崎さんと、デザイナーさんと相談しながら、こうかな?ああかな?と時間もあんまりない中、試行錯誤して作りました。

やっと出来上がったものを、書店員の皆さんもいいねって褒めてくださったり、色紙書いてくださいとか、いっぱい展開しますねって声かけて下さる方もいらしてすごいうれしかったです。ありがとうございます。

この本をはちょっと字が小さめなので、一人で子どもが読むのって難しいかなと思いますので、お父さんやお母さんと一緒に読んで、明るい未来を想像して、家族で楽しんでもらえたらなと思います。今日は本当にありがとうございます。


そして、文を書かれた 小学3年生の ういさんのお手紙を、学研編集部の宮崎様が代読してくださいました。

学研プラスの宮崎です。いまのえがしらさんの話を横で聞いていて、えがしらさんに絵をお願いして、えがしらさんが受けてくださって、本当によかったなとしみじみ思いました。

それでできた絵本がこうやって、静岡で三位という賞を頂くことができて本当に光栄ですし、ういさんとういさんの家族に「三位に選ばれましたよと」とお伝えしましたら、「本当にすごいねって」喜んでいただいて、ういさんいま小学校三年生なんですけども、小学校三年生でこういう立派な賞を頂けるというのは、なかなか無いことで、そういった意味でも重ねてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。それで今日ういさんは、大好きな小学校の方に通っておりまして、ここには来れないんですけれども、お手紙を預かって来ておりますので、こちらを読ませていただきます。

「静岡の皆さんへ、今回は賞をくれてありがとうございます。嬉しく思います。本を書くときにたくさんの子たちの役に立つと嬉しいなと思って書きました。なのでたくさんの人や子どもが読んでくれると嬉しいです。私は今3年生になりました、来年は4年生で部活が始まるので頑張りたいと思っています。秋元ういより。」


えがしらさんは静岡県三島市で「えほんやさん」の店主もされており、絵も文も、ご本人そのものという感じのお優しい作品ばかりです。『しょうがっこうがだいすき』の文を書かれた ういさんより少し年下の娘さんを描いた「娘ちゃん日記」もほのぼの癒されます。

右の写真は、ミヤハラの杉山さんから副賞の贈呈です。ういさんが来られなかったのは残念ですが、副賞の横断バッグを喜んでくださるといいなと思っています。


続きまして児童書新作部門 第2位は、小峰書店 竹下久子さん文、町田尚子さん絵の『なまえのないねこ』に決定いたしました!町田尚子さんはご都合がつかず欠席で残念ですが、竹下久子さんへ、静岡書店大賞 実行委員の大庭さん(江崎書店 袋井店)からトロフィーを贈呈です。

こんにちは。『なまえのないねこ』の文章を担当しました 竹下文子です。このたびは選んでいただいて、ありがとうございました。今日は絵を描かれた町田尚子さんは来られなくて残念なんですけども。私がこの文章を書きまして、それを町田さんが気に入ってくださって、絵を描いていただくのに三年ほど待ちました。

本当にいい絵を描いていただいて、この絵本の表紙の猫を、本屋さんで見て一目惚れしたとか、うちの子にソックリとか言って下さる方が本当に多くてビックリするくらいです。そういう風に多くの人に共感していただける、いろんな人の想いを巻き込んでくるような、そういう絵本というのは、なかなか作ろうと思って作れるようなものではないので、そういう本が作れたということだけで、作者としては幸せなことだと思っています。

先ほどのえがしらさんは三島にお住まいなんですけども、私はもうちょっと先の伊豆の下田に住んでおりまして、もう33年ぐらいになります。伊豆半島の東の方というのは、日頃それほど静岡っていう意識が、ちょっと薄いようなところなんですが、こうして静岡で選んでいただいて、やっぱりちょっと特別な地元っていうような,うれしい気持ちがしております。これを機会にこの絵本が、この絵本の中の猫たちがもっといろんなところで、いろんな人と出会って、かわいがっていただけると嬉しいと思います。今日はありがとうございました。


いま、「ねこブーム」と言われています。ねこ本も大人気で、専門に扱う書店もあるほど!『なまえのないねこ』は文と絵が素晴らしくマッチしており、ねこ好きにはたまらない魅力あふれる作品ではないでしょうか。この作品から保護猫活動が広がることも願っています。

そしていよいよ最後は児童書 新作部門 第1位!ブロンズ新社 ヨシタケシンスケさんの『ころべばいいのに』に決定いたしました!静岡書店大賞 実行委員 鈴木祐輔さん(戸田書店 菊川店)より、トロフィーを贈呈。

ありがとうございます。はい、そういったわけでヨシタケシンスケでございます。今日はこのような賞を頂きまして、本当にありがとうございます。

今回の「ころべばいいのに」という本なんですけども、嫌いな奴っているよなーっ!っていうそういうのを、本にしてやろうと言うところからスタートしました。これは私自身が何人か嫌いな人おりまして(笑)こういう場所で言うべきことじゃないかもしれないんですけども、その人のことを憎み始めると、仕事が手につかなくなるというようなことで、苦しい思いをしております。そうやって僕自身が困っていることに対して、なにかひとつ受け取り方があるんじゃないかというところでいろいろ考えて作ったのが今回の「ころべばいいのに」という本です。

この中で主人公の女の子に嫌いな人がいて、すごく嫌な気分になる。ではこの嫌な気分はどうすればいいんだろう?ということでいろいろ考えて、一つの結論を出していくっていうお話なんですけども。

この絵本を作る際に一番大事にしたことっていうのが、実は女の子が物語の初めから終わりまで誰にも相談しないんです。で、道を行く人の会話の端々を聞いたりだとか、自分の経験を元にしたりしながら、なにがしかの着地点を見つけるっていう本なんですけども。

こういうネガティブな感情の話になったときに、だいたい解決策ってまず誰かに相談しましょう。誰かに話を聞いてもらいましょうっていうことになるんですね。ただ僕はそういうこと言われたときに、相談できる子供じゃなかったんです。例えば自分がそういう気持ちになったときに本を読んだとき、その本に出てくる人がすぐ先生に相談する、親に相談して話を聞いてもらうっていう展開だとしたら、僕はなんか置いて行かれた気持になるような気がしたんです。
相談できない子ってどんなに「しようね。」って言ってもしないんですよ。

逆に相談する子って、しなくてもいいのにどんどんするんですよね。僕は相談できないタイプの子どもだったので、誰にも相談できない子が自分の力だけでなにがしかの着地点を見つける本、っていうのを僕が子どものころに読んだら、勇気づけられると思ったんです。そういう一般的な解決策とは違う選択肢っていうやり方もあるよね。こういう考え方をしてもいいよね。っていうものの選択肢の一つになってくれたらいいんじゃないかなぁ。と、思って作った本です。

「ころべばいいのに」って非常に刺激的なタイトルなので、ギョッとされる方もたくさんいらっしゃるんですけども、そういう中でたくさん読んでいただいて、こんなにたくさん支持を頂けたというのは僕自身とてもびっくりしましたしやはり分かってくれたというか、届いたというか、認めて頂いたということを、今回すごく感じました。

静岡の書店の皆様にこういう形で、こういう本があってもいいよねと認めてくださったというのはとても勇気づけられますし、いろんな立場の人にも嫌いな人がいるというのは、大人も子どももいっしょなので、「いるよね~っ」って、「いなくならないよね~っ」って言うところを、どうにかうまいことやっていければいいなと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。


ヨシタケさんは第2回、第4回~今年の第8回と、児童書 新作部門の第3位までに入賞しており、ここ4年連続でお越しくださり、感謝感激です。作品に独特な哲学があるように、服装も常に定番、そしていつも謙虚で穏やかで。そんなヨシタケさんでも「ころべばいいのに」と思う人がいるんですね。何だかホッとしたりして。ヨシタケさんの絵本に救われる人、多いはずです。


すべての受賞作が決定し、受賞作家さんが前方へ!そして、書店員・図書館員の方々も一緒に恒例の記念撮影を行いました。一般参加のお二人も大変喜んでくださり、よかったです(*^^*)


記念撮影も無事終了し、静岡書店大賞 副事務局長の吉見佳奈子(吉見書店 外商本部)より閉式のご挨拶です。

静岡書店大賞、第8回ということで、第1回から委員をつとめさせておりまして、今年は発起人の立ち上げの高木さんが大きなスタートをされたというすごく記念すべき年でもあります。その時、高木さんの上のお子さんがまだ赤ちゃんだったことを覚えていまして、自分自身も中学1年と小学3年だった娘たちが大学2年と高校1年生になりました。すごくそういう時の流れをこの書店大賞とともにやってこれたんだな、ということを嬉しく思っています。

今日もたくさんの出版社さん、取次店の皆さん、それから書店員の皆さん、図書館員の皆さん、ほんとに皆さんとの交流ができ、こうした作家さんたちの素晴らしいお話を聴くことができて、益々やっぱり本っていいなというふうに思いました。これからもたくさん売って、静岡書店大賞の作品を盛り上げていきたいです。次期事務局長の発表をここでさせていただきます。次期事務局長は、戸田書店の鈴木祐輔さんです。鈴木さん、お願いします。

ご紹介にあずかりました戸田書店の鈴木です。今、吉見さんの方で第1回の高木さんのお話が出たんですけども、私も高木さんの話をしようと思っていてちょっとかぶってしまうんですけど、私が静岡に来たのが2012年、書店大賞の始まった年、創設者の高木さんのお店 戸田書店掛川西郷店に行きました。私が書店員として働いた記憶というのが、静岡書店大賞と一緒にというかたちですごい感慨深いものがあります。高木さんのもとでいろいろ学ばせていただいて、めぐりめぐって私が事務局長ということで、第9回を担わせていただく、私としては、次世代にバトンタッチされたという認識で、またこれから新しい時代に向けて、しっかりとやっていきます。どうぞ次回もご協力よろしくお願いします。


静岡書店大賞 初代の高木さんの思いを、実行委員皆が大事にしており、今後もその思いを引き継いでいきたい、そう心は一つです。書店にはきびしい時代ですが、今後も垣根を越え、一丸となって良い本を売っていこう!と、改めて励みとなる授賞式でした。

そして同じシンフォニー会場を急いで片付け、懇親会へ。司会は今年も、静岡書店大賞 実行委員の山本明広さん(BOOKアマノ有玉店)。開会の挨拶は「しぞ~か本の日!」実行委員長 吉見光太郎(静岡県書店組合 理事長)より。

ただいまご紹介いただきました吉見でございます。本日は受賞された作家の皆様、図書館の皆様、出版社の皆様、販売会社の皆様、そして書店の皆様、師走に入りましたお忙しい中に静岡にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

東京や大阪のような大都市ではない地方都市の静岡に、このような多くの皆様にお集まりいただき、盛大に開催できることは大変嬉しく、運営に関わっていただきましたすべての方々に心より感謝申しげます。

私は実行委員長という肩書ではありますが、名ばかりでございまして、実際は静岡書店大賞の実行委員の各書店の皆さま、トーハン、日販、楽天ブックスネットワークの販売会社の担当の皆さま、また協力委員であります静岡県立中央図書館の八木さまにおかれましては、本当に日々の業務でお忙しい中に開催に向けてご尽力いただいたからこそ実現できたことでございます。

特に図書館の皆さまが参加していただいているこの静岡書店大賞は、全国でもたぐいまれな賞でございます。図書館さんには年間を通して多くの本を購入していただいています。出版社の皆様におかれましては、今後とも何とぞご理解、ご協力をお願い申し上げます。

歴史的に振り返りますと、この会は「静岡書店大賞」をどのように盛り上げていくかというところから始まり、そして静岡トーハン会、静岡日販会がそれぞれ11月の別々の日に開催して出版社の皆様にも幾度と足を運んでいただくのも問題ということもあって、何とか合同でできないかという議論から生まれた経緯があります。

静岡県は「読書県しずおか」をうたっております。「本に出会い、本を知り 本に親しみ、本を活かし 本と生き、本を伝える」 まさに私たち出版業界に関わる全員の役目であると思います。

今日このような皆で集まれる機会はなかんかありませんので、この懇親会では、日ごろお話しできない方とお話していただき、より多くの情報交換を行っていただきたいと思います。一人でも多くの読者が増えていくようになることを願って、私の挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございます。


続きまして、ご来賓を代表しまして、昨年と同じく、静岡県立中央図書館 館長 三科守さまにご挨拶をいただきました。

失礼いたします。御紹介をいただきました県立中央図書館の三科と申します。本日は書店大商談会、静岡書店大賞授賞式にお招きいただきまして、ありがとうございました。お邪魔したのは今年で2年目になりますが、昨年同様、商談会の熱気に圧倒されました。また、本日、受賞された皆様、おめでとうございます。本館におきましても、受賞作品の展示をし、来館するお皆様に、御紹介させていただきます。

さて、読書推進に関わる試みが、出版社、書店の皆さん、学校教育、読み聞かせボランティアの皆さんなどの御尽力で様々に実践されています。本日のこの催しもその一つと言えます。

近年盛り上がりをみせているもののひとつに、ビブリオバトルがあげられると思います。静岡県では、活字文化推進会議(主管は読売新聞)主催全国高等学校ビブリオバトルにおいて今年の1月の全国大会で、優勝者を出しました。県立富士宮西高校の遠藤駿介君です。

彼が紹介したチャンプ本は深水黎一郎(ふかみれいいちろう)さんの「最後のトリック」<文庫の初版は2014年>です。静岡県教育委員会主催の県大会は昨年9月実施で私も審査と講評に加わりました。県内から30校48名参加。決勝戦は8名。皆、プレゼンの練習を何回も何回もやってきたな、と思わせる見事なもので、自分の選んだ本の魅力を一生懸命紹介していました。

私、浜松から新幹線通勤をしていますが、浜松駅構内の1階に谷島屋書店エキマチ店があり、帰宅時、新幹線から私鉄遠州鉄道に乗り換える際、15分ほどの時間があり、時間調整でふらりと立ち寄るのですが、文庫棚で「最後のトリック」いまも面出しで重ねられています。第5回ビブリオバトル優勝 と遠藤君の名前、校名も帯に入っています。私がエキマチ店で購入したとき49刷りでしたが、1週間ほど前見たときは54刷りでした。遠藤君、出版社(河出書房)、書店さんに大貢献しています。たまたま谷島屋さんの名前を出しましたが、もちろん、吉見書店、江崎書店、戸田書店さんなどなど他でも個人的に購入していますので。大事な補足をさせていただきます。

今年も県予選が9月にありましたが、33校60人と、年々参加者が増えています。今年の優勝者も富士宮西高校で、深沢治樹(ふかさわ はるき)君が紹介したのは百田尚樹さんの「フォルトゥナの瞳」で、2015年の出版。全国大会が楽しみです。なお、深沢君はバレーボール部の副主将で、運動部系が読書する者が少ないという分けではありません。

それとビブリオバトル見ていますと、読書の可能性といいますか、若者が決して最近出版されたばかりの本だけに関心を持っているわけではないこともわかります。今年県大会での準優勝は筒井康隆さんの1989年に出た「残像に口紅を」(中公)でしたし、特別賞は平安時代の「堤中納言物語」(岩波)です。古文です。また、決勝まできませんでしたが、「聖書」を紹介した生徒もいました。

彼等の話を聞いていますと一冊の本との出会いのきっかけも様々で、書店で帯に書かれた言葉に惹かれて手にした生徒もいれば、昨年の県大会で印象に残っているのは、小学生の時、おじいちゃんが、これを読め、といってくれた、それが、江戸川乱歩の「蜘蛛男」で、いわゆる子ども向けのジュブナイル版(あのポプラ社の、柳瀬茂画伯によるインパクトのあるカバー絵はいまも懐かしくて、昭和40年代の小学生男子はあのカバー絵に惹かれて競争で学校図書館で借りたものですが)ではなくて、大人が読む通常版だったというのがありました。難しい漢字はいっぱい使われていますし、内容は猟奇的でエログロ的な色も濃い作品ですが、高校生になった彼は、どうしておじいちゃんは、小学生の僕にこういう本を読めといったんだろう、そこから、本の紹介が始まりました。

ビブリオバトル、中学、高校でも裾野が広がっています。またビブリオに限らず、本の魅力を伝えるきっかけは至るところにあります。スマホも便利で面白いですが、学術書を含めて、読書の持つ、ときに難しい言葉も出てきますが、その難しさも含めて、通り一遍の単純な面白さは違う、知的な深みのある面白さという、その魅力を知ってもらうきっかけ、仕掛けを、出版社の皆さん、書店の皆さん、読書推進に関わる皆さん、そして図書館等が、連携しながら、さらに増やしていければいいな、と思います。本日はお招きいただきまして、ありがとうございました。


浜松から静岡へ通勤されているという館長さん、本への愛、読書推進や読書教育へのあふれる熱意が伝わるお言葉でした。

いよいよ乾杯です。ご発声を、ポプラ社 局長の吉田元子さまにしていただきました。

ご紹介にあずかりましたポプラ社の吉田と申します。弊社は第1回の小説部門の大賞をいただきまして、先ほど授賞式の最後に、事務局の方々からお名前のが上がっておりました高木さんが弊社の方にお知らせに来てくださいまして、あの日のその時のことを昨日のことのように覚えております。

その時は授賞式が懇親会でしたか、ここよりちょっと駅から遠い居酒屋さんだったことを覚えておりまして、今日のシャンデリアを見上げながら、その大きさの違いをとても感じております。

その後も幸せなことに何度か受賞の機会をいただきまして、回を重ねるごとにほんとにこの賞が大きく盛大なものになっていくのを眩しく嬉しく拝見していたんですけども、今回第8回という何ともよりめでたい感じのする会で、受賞版元の一つとしてここに再びおじゃまできたことを嬉しく幸せに思っております。

本当にこのたびは受賞されました受賞作家の皆様、版元の皆様、おめでとうございます。栄えある受賞作が益々多くの方々の目に届きますように、静岡書店大賞が益々発展しますように、そして今日ここにお集まりの受賞作家をはじめとする皆様にいろいろと良いことが起こりますように、ご健勝を祈り乾杯したいと思います。
ではご唱和ください「乾杯!」。


第1回から今までの授賞式の変遷も感慨深く思ってくださり、実行委員皆、感激です。ありがとうございました。


歓談の中、司会の山本さんが、副賞の横断バッグと、今回特別に作っていただいた「読書中」グッズもご紹介♪ 「横断中」だけでなく「読書中」もこれからは大ヒットの予感です!

取次三社のご担当者さんによる、スタンプラリーの当選者発表も盛り上がりました。当選した出版社の方々、書店員さん、おめでとうございます!取次店の皆様、ご準備本当にありがとうございました。

締めの挨拶は、静岡書店大賞 創設者で初代事務局長の高木久直さん(高久書店)より。

今回も多くの皆さまにご参集頂きまして、静岡書店大賞実行委員として感謝を致します。本当にありがとうございます。

私、この度独立をし、走る本屋さん高久書店を名乗って活動を始めました。街の本屋でも喰って行けるんだ、生活はできるんだという事を、わが身をもって実証したかったのです。本屋バカです。

8年前にスタートした本会でありますが、今では、地方における本のイベントの成功例だと言われるようになりました。こんなにも盛大で華々しいセレモニーが開催されるようになりました。思い返せば初年度は、浜松の小さな居酒屋に作家さんを呼んで20人程で授賞式とは名ばかりの会でした。申し訳ないなぁと思ったのが昨日のことのようです。

年々盛会になって行くのはとても嬉しいのですが、心境は複雑だったりもします。8年前、本会に投票してくれた書店は200店近くありました。今年は、160店でした。静岡県内でも本屋の存在しない町は、6市町に上り、ますます増えそうな様相を呈しております。

走る本屋さんで本屋の無い町に伺った折、小学生の女の子が500円の図書カードを2枚持って「去年貰った図書カード、やっと使えるんだ♪」と来店してくれました。本当は、私の走る本屋さんでも図書カードは使えないんです。でも、使えないとは言えなかった。可愛そうに・・・、本屋はこれじゃ駄目だなぁと思ったのです。

我々は、もう一度読者の方を向き直し、書店、取次販売会社、出版社、物流、そして自治体の皆さまと協力しながら変わって行かなければならない時を迎えていると思います。

これからも静岡書店大賞が、しぞ~か本の日が、そんな変容の時代の一助になれば光栄です。本日は、誠にありがとう御座いました。


静岡書店大賞 創設者の高木さんの言葉はいつも胸に迫り、感動します。新たな出発をされた高木さんを皆が応援していますし、引き続き静岡書店大賞の要・重鎮として、頼りにさせていただきたいです。

今年の静岡書店大賞も、素晴らしい受賞作品ばかり、県内書店・図書館で力を入れて販売・宣伝をしてまいります。令和となって初の今回、皆様のおかげでとてもあたたかく素晴らしい会となりました。心より感謝申し上げます。2020年も頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
















  

Posted by 静岡書店大賞SST at 23:52ご報告

2019年12月03日

第8回静岡書店大賞



お待たせいたしました!12月3日(火)17:00~18:00、第8回 静岡書店大賞の授賞式にて受賞作品が発表されました。受賞作家さん・出版社さん、おめでとうございますicon12icon12icon12

「しぞ~か本の日!」として、取次の垣根を越え合同で行っている商談会・懇親会と一緒の開催となり、今年が4回目。会場も昨年と同じ、葵タワーのグランディエール ブケトーカイさんです。授賞式の様子等は、後日改めて掲載させていただきますねface02

今年も素晴らしい作品が選ばれました。県内の書店、図書館でフェアを開催していきます。また、今年も受賞作品の「読者レビューコンテスト」を行います。受賞作品をお買い上げくださったお客様に、県内書店店頭で応募ハガキをお渡ししております。レビューをご記入のうえ、ポストへご投函ください。1/14(火)必着ですが、少し後に到着した場合も大丈夫です。ご応募を心からお待ちしています。

最優秀のレビューは、POPのコメントとなり、静岡県内でフェア展開をしている書店で飾られますよface03優秀賞に出版社様の素敵な景品が!
静岡県民の皆様、ぜひ受賞作品をご購読→読者レビュー投票をよろしくお願いいたしますicon53icon06  

Posted by 静岡書店大賞SST at 18:00