2019年01月25日

第7回 静岡書店大賞 授賞式のご報告

12月4日(火)16:50~18:00、第7回静岡書店大賞授賞式を、一昨年から「しぞ~か本の日!」の
一環として行っており、今年もグランディエールブケトーカイ4階ロビーで開催しました。


「しぞ~か本の日!」書店大商談会のプログラム冊子です。日販の舟橋さんが中心となり製作
してくださいました。春に他県から異動してこられた舟橋さん、出版社と書店、そして他取次の
トーハンさん、大阪屋栗田さんとの間で、細やかにやりとりをしてくださり、感謝です。取次店、
書店の垣根を越えたこの取り組み、多くの方々のお力により実現できます。静岡は単県での
開催ですが、だからこそできる一体感もあり、関係の皆様に感謝でいっぱいですface03


まずは大商談会が13:00~16:30まで、シンフォニー会場で行われました。昨年より2社多い114社
が出展してくださり、ありがたかったです。また今年は、県内の図書館員さんが30人参加されました。
協力委員の県立中央図書館・八木さんの呼びかけで、希望者には書店員のアテンドを付ける旨を
ご案内したことで、参加者が増えたようです。アテンドの書店員は、店売書店員だけでなく、図書館
さんとのやり取りをしている外商部の書店員も活躍しましたemoji09


シンフォニー入口手前のドリンクコーナーにもなっていたスペースに、静岡書店大賞のグッズ販売
コーナーも!今年は戸田書店 裾野店の鈴木店長が大活躍してくれました。委員となって間もない
というのに、お店のスタッフさん手作りのPOPご持参くださって、大感激です。ロゴマークの富士山
ちゃんのつぶやきもかわいくて。江崎書店・新村さんももちろん大活躍です。


そして今年は、「しぞ~か本の日!」江﨑直利実行委員長の発案により、書皮友好協会の中西晴代
さん(静岡市在住)の所蔵する、全国書店の書皮(ブックカバー)の内、静岡県内の書店・図書館等の
書皮のみを選び、「静岡県 書店カバー展」を、エレベーター前で行いました。朝日新聞さんは、
この書皮展示を中心に取材をしてくださり、参加者の皆様も興味深く観てくださっていました。貴重な
書皮を貸し出してくださり、展示レイアウトを事前に考えていただくなど、中西さんに大変お世話になり
ました。心より御礼申し上げます。

初の試みの一つに、一般参加者の募集もありました。静岡市内の書店店頭と静岡県立中央図書館
10/5~11/4の1ヵ月間、ポスターと応募用紙を設置し、募集したのです。3書店と県立中央図書館
お子さん3人を含む6組のご応募があり、授賞式にご参加いただきました。お一人、ご案内がうまく
できず申し訳なかったこと、反省しきりです。とても良い方で、後日、戸田書店静岡本店にお土産の
どんどんオリジナルレトルトカレーを取りにお越しくださり、実行委員の島原さんがお詫びをしてください
ました。島原さん、ありがとうございました。反省し、来年はどのようにするか話し合っていきたいです。


発表を待つ受賞作たち / 司会の田畑亜希子さん…㈱GOTO / 事務局長挨拶…吉見書店・吉見

今回の授賞式は、10分早く16:50からスタート。司会は㈱GOTO TSUTAYA事業部の田畑亜希子さん
です。初めてとは思えぬ落ち着いた司会ぶり(^^)/素晴らしかったです。そしてまずは、事務局長の
吉見佳奈子(吉見書店 外商本部)からご挨拶。

いつも司会担当でしたが、今年は書店持ち回りの事務局が弊社でして、事務局長をやらせていただ
いております吉見書店 吉見です。未熟者ですのに、今回の静岡書店大賞は初めての企画が多く、
実行委員の皆さん、出版社様、取次店様、書店員・図書館員の皆様、関係の多くの方々に大変お世話
になり、教えていただきながら何とか今日を迎えることができました。皆様に感謝の気持ちでいっぱい
です。本当にありがとうございます。 

第7回の今回は、書店員624名、図書館員140名、昨年より書店員は22名多く図書館員さんが昨年より
少なかったものの、合計764名という大勢に投票いただき、大変ありがたかったです。4部門6作品が
決定し、受賞版元様・取次店様の大きなご協力のもと、準備を進めてまいりました。受賞発表後、早け
れば今夜から、県内180の書店、公立図書館で静岡書店大賞のフェアを展開してまいります。
今年は、受賞作品の読者レビューコンテストを行うこととなりました。発案者の丸林副事務局長から
懇親会でお話があるかと思いますが、受賞作をさらに盛り上げていけたらと思っております。

また、静岡市内の書店店頭でポスター・応募用紙を設置し、一般読者参加を募りました。今日はご応募
くださった6組8名の方々にお越しいただいています。こちらにいらっしゃる皆様です。女性3人、お1人は
県立大学の学生さん、小学3年生の男の子、中学1年生と小学6年生のご兄弟もご応募くださいました。
お子さんにはお母様が付き添いでいらしてくださっています。皆さん本が好きな方々です。今日は楽しん
でいただけましたら幸いです。

エレベーター前では、静岡県内書店のブックカバー展をしております。これは、今日のしぞ~か本の日!
実行委員長の江﨑さんの思いによるもので、書皮友好協会の中西晴代さんが所蔵されている、閉店
した書店も含む貴重な書皮の数々、ぜひご覧ください。

そして、8月に53歳という若さで旅立たれてしまった、静岡が敬愛する作家・さくらももこさんへの感謝と
追悼も、静岡書店大賞として今年やらなくては、できるかぎりのことをと思い、関係の皆様にご相談させ
ていただきました。本当にありがとうございます。静岡書店大賞授賞式の前にさくらももこさんへの感謝
状贈呈
を行います。司会は谷島屋の原川さんに代わります。原川さん、お願いします。


ちびまる子ちゃんランド館長・池田広美様/集英社 後藤貴子様/静岡市 田辺市長

さくらももこさんへの感謝状贈呈の前に、ゆかりのある方々にメッセージをいただきました。まずは
さくらプロダクションで24年間、さくらももこさんと一緒に活動されていらした井下薫様のコメントを
ドリームプラザ ちびまる子ちゃんランド館長の池田広美様が代読してくださいました。

このたびは、第7回静岡書店大賞にて、さくらに感謝状をいただき、ありがとうございます。
さくらは以前、小さいころの夢を問われ、このように答えたことがございます。漫画家か、イラスト
レーターか童話作家になりたいと思っていました。また、世界中を旅してみたいとも思っていました。
幸せなことに、その夢をかなえました。そして、作品をとっていただいけるのは、たくさんの方々に
支えられ、助けていただいているおかげだと、いつも感謝していました。

さくらは静岡が大好きです。その静岡の皆様から、感謝状をいただけること、とても光栄に思って
おります。多分さくらは、少し恥ずかしがりながら、でもみんなのおかげなんだよね、あたしこそ
ありがとうだよ
と、言っていると思います。

エッセイのあとがきには、いつも皆様のご無事、明るい日々を願う言葉があります。ある時は、この
ような言葉です。「生きていると細かくちょこちょこ楽しいことや面白いことがあります。その、ちょこ
ちょこのひとつとして、私の作品を皆様の人生の愉快な彩になれるよう
にまた今年も頑張ります。
いつも応援ありがとう。  さくらももこ」

新しい作品をこれからもお届けすることが私たちの幸せです。さくらももこと、私たちさくらプロダク
ションをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。  さくらプロダクション


さくらももこさんの声が聞こえてくるようなお言葉、池田館長も涙ぐんでいらっしゃり、もらい泣きして
しまいました。続いて、集英社第一編集部の 後藤貴子様より、ご挨拶をいただきました。

本日は、さくら先生のご出身である静岡県の書店の皆様からお声掛けいただきまして、誠にありがとう
ございます。私は集英社のりぼんという少女漫画の雑誌の編集をしておりまして、さくら先生の担当を
十年やらせていただきました。そのご縁がありまして、本日はこちらにお邪魔した次第でございます。

折角ですので、私とさくら先生と静岡県というテーマで、ちょっとお話をさせていただこうかなと思います。

私がですね、さくら先生の担当になったきっかけというのが、実はお酒なんですね。私お酒が大好きで、
中でも日本酒がすごく好きなんですよ。皆さんちょっとご存知の方もいらっしゃるかなと思うんですけど、
さくら先生ってお酒ものすごい大好きなんですね。その中でも静岡県のお酒を非常に愛してらっしゃる
んですよ。もちろん、私漫画の担当ということなので、さくら先生とマンガの話もするんですけども、
基本的にはこうわりと「後藤さんちょっと家においでよ」って言って呼んでくださって、ほんとにお酒と
おでんと、カツオとみたいな感じで「ちょっといいのとれたから来なよ」ってかんじで、あんまりお仕事
の話をしなかったかな?という記憶もあります。

そもそも担当させていただいたきっかけというのも、先生が日本酒をお好きっていうのを聞いて、
飲み会があるよって聞いたので、私が強引に押しかけて、ものすごい楽しくて、ものすごい飲ん
じゃって、記憶を失うぐらい飲んでしまったんですけども、翌日あまりにも非礼だったかなと思って、
無礼をお詫びしたところ、先生おもしろがってくださって、担当をやらせていただくことになりました。

そんなこんなで、静岡のお酒をいただいて、おでんやいろんなものをいただいて、笑ってしゃべって、
歌って、そのままもう10年過ごしてまいりました。ほんとに私は静岡県の良さっていうのは、さくら
先生に教えていただいた
なっていうふうに思っております。

そのようなご縁がありまして、そもそもお酒が静岡県のこんなにおいしいものと知りませんでしたし、
名物こんなのがあって、こんなのがあってというのを全部さくら先生から教えていただいたなって
思っております。私にとって静岡っていうのはさくら先生そのものであり、本当に静岡に愛された
さくら先生
で、さくら先生も静岡県を愛していらっしゃるかなということを、本当に、しみじみ私の中の
お酒が覚えてますということを、皆さんにお伝えしたいなと思いまして、参りました。

全然漫画の話じゃないんですけども、先生が静岡県を愛していらっしゃったよということで、私も皆様の
ご縁をいただきました、本日はさくら先生にも静岡県の皆様にもありがとうと申し上げたいなと思いました。
本当に今日はありがとうございました。


さくらももこさん、静岡おでん専用お鍋をお持ちで、青山葬儀所での「ありがとうの会」で、そのお鍋が展示されて
おり、静岡おでんもふるまってくださいました。本当に静岡がお好きでいらしたのだなぁと実感&感激しました。

続きまして、静岡書店大賞の発表会開催地である静岡市から来賓として、田辺市長にご挨拶いただきました。

今日は静岡市政からシティプロモーション担当の渡辺広報官はじめ、多くの市の職員ともどもお招きいただき
まして、どうもありがとうございました。私自身今日はいろいろなミッションを携えて、このセレモニーに駆けつけ
させていただきました。まずは歓迎でございます、今日は県内各地域の書店を守っているスタッフの方々が多く
この静岡市にお越しをいただいたと伺っております。また、第七回を数えるSSTを準備をしてくださった皆様に
改めて敬意を称しつつ、ようこそ静岡市にお越しをいただいたと、ひとつ市を代表いたしまして?皆様に歓迎を
申し上げたいと思います。今日はお越しいただき、どうもありがとうございました。

そして次なるミッションは、さくらももこさんへの感謝の気持ちであります。私はさくらももこさんに大変親しくさせて
いただきました。同じ世代だということもあって、さきほど今日いらっしゃってくださったプロダクションの宇田さんと、
思い出話をしたんですけども。東京にある自宅の地下室がカラオケルームになっていてね、そこにサザンの桑田
さんとか和田アキ子さんとかと一緒に騒いだという、いろいろテレビでも報道されているあの地下室へ、私も まる
ちゃんの静岡音頭
をももこさんと一緒に踊ったり、いろんな歌を歌ったり、そんな楽しい…そのときは自分の健康
のことが本当は気になっていたんだけども、そんなことはおくびにも出さず、前向きに子供たちのこと、将来の静岡
のこと、そして日本人の優しさをそんなことをずっとずっと前向きに作品のなかで伝え続けてくれたと、そんなさくら
ももこさん…エジソンよりわたしたち静岡市民にとっては偉い人であります。

そんなさくらさんになんとか恩返しをしたい、逆にこれからがさくらさんが伝えたかったものを、私たちが伝えていく
その大事な責任があるという風に思っています。

さくらさんは静岡市にたくさんのさくらももこさんの自画像のイラスト・絵を送ってくれました。それをたとえばJRの
静岡駅を降り立ってタクシーに乗るところには一面飾らせていただいております。その一枚を今回少しでも県内の
書店の皆さんに歓迎をしたいという気持ちで、ブックカバーを作らせていただきました


それがこれでありますけども(ブックカバーのついた本をかかげる)日本平からみえる富士山をさくらももこさんが
書き下ろしてくれた、このイラストを30万枚、県内の皆様にぜひ活用をしていただきたいと、いま最後の詰めをして
いるところです。それぞれの書店の素敵なブックカバーもあろうかと思いますが、ぜひこのカバーを活用をしていた
だきたい
ということをお願い致します。

私は子どもの頃から、学校で一番好きなところが図書室でありました。印刷のにおいがする、ぷーんと香る本の中
で将来の夢を育んだり、あるいはゲラゲラ笑ったり、そんな経験をしました。活字文化を守らなければなりません
今日は多くの報道関係者、新聞記者の方もいらっしゃっていますけども、やはりSNS全盛の時代でもちゃんと活字を
読むということが思考力にもつながります。

その活字文化を守っていきたい、それは教育を通じてしかありません。いま静岡市は…SDGsという言葉ご存知で
しょうか?これは2030年に、地球上のすべての子どもたちに質の高い教育を提供しよう、地球の温暖化を解決した
世界を提供しよう、戦争やテロや貧困がない世界にしていこう、そんな2030年まで国連の加盟国全体が一緒に取り
組むのが、国連の持続可能な開発目標
、略してSDGs。今日胸につけているバッジ。このカラフルな17の目標に向け
て私たち静岡市の街づくり計画とタイアップをして、このSDGsを追求し、そして、地球に貢献する静岡市でありたいと
いう街づくりを進めています。

今日はこのあと懇親会があるということですので、このSDGsのブースも設けさせていただきました。私たちは日本の
中でもSDGs未来都市、アジア諸国ではSDGsのハブシティとして認定されて、近隣の自治体や、全国に静岡市のあり
かたを示し、それを皆さんにもSDGsの街づくりということを、タイアップしていただきたいというミッションがあります。
今日は県内の各地域の自治体の皆さんから、この懇親会の参加もお願いしているということでありますので、ぜひ
そのブースにも立ち寄っていただき、世界の中の静岡という、思いを共有して頂ければなあという風に思います。

いずれにいたしましても、静岡書店大賞が今年もこんなに盛大に開かれましたことを心からお喜び申し上げ、私の
歓迎・お願い・そしてさくらももこさんへの深甚なる感謝の気持ちを伝えさせていただきました。どうもありがとうござ
いました。




さくらももこさんと身近な皆様のお言葉、心に響くものばかりで、大変感動しました。そして、さくらももこさんへの感謝状の贈呈です。静岡書店大賞 実行委員の原川清美さん(谷島屋マークイズ静岡店)から、ちびまる子ちゃんに贈呈されました。照れているまるちゃんがかわいかったです(*^^*)

いよいよ授賞式ですがその前に、副賞をご提供くださった、株式会社どんどん 牧田浩司様から一言いただきました。
会場に「今話題のハッピーグルメ弁当といえば?」「どんどん?」「おいし~さ どんどん、お弁当どんどん♪」のCMが☆

 皆さんこんばんは。弊社代表の吉原に代わり、ご挨拶申し上げます。私どもですね、さくらももこ先生と同じ清水生まれの持ち帰り店で、1981年創業以来37年間、店頭でお客様にご注文いただいてからお作りする手作りの出来立てのお弁当を提供していくことに、一意専心取り組んでおります。現在はですね、静岡県を中心に1都4県に74店舗の持ち帰り弁当店を展開しております。

いまテレビCM音声だけですが、聞いていただきました。なかなか静岡県外からお越しのお方は耳馴染みはないかもしれませんが、弊社はこのテレビCMのおげでですね、静岡県内の中では圧倒的な認知度を誇っております。おそらく、多くの静岡県民の方が一度はごらんになったことがあるかなと思います。

テレビコマーシャルの中にも出てきますコマーシャルメッセージで、ハッピートゥギャザーという言葉が出てまいります。これが私どもの企業理念でございます。私どものお弁当を買って食べてくださるお客様はもちろん、仕入れ先の皆様、日々私たちとふれあう方を幸せにしたい、そんな思いが込められております。

そのためにはまず、働く私たち自身が幸せでなければならない。これは論語の「近き者説(よろこ)び、遠き者来る」の援用でございます。今日も今非常にたくさんの方がつめかけて 熱気を感じております。静岡の書店業界で近き者がもっとも喜ぶ日が今日のこの場だと思っております。今日のこの会が大きく盛り上がれば盛り上がるほど、明日以降の静岡の書店業界がますます熱くなるものとそういう思いを込めまして、私どもとしては、ちょっとささやかなんですが、オリジナルカレーということで、副賞の協賛をさせていただきます。

プレゼンテーターを本社・野櫻が務めさせていただきます。今日はカレー色の着物で参加をしております。カレーだけにスパイスの効いた熱い副賞とカレー色の着物で、この会を盛り上げたいと思います。本日はこのような名誉ある賞に、弊社のカレーをご選定いただきましたことに深く感謝を申し上げますとともに、この会がますます盛り上がることを祈念して、ご挨拶に代えさせて頂きます。


すてきな副賞のご紹介をいただき、ワクワク感も高まってきました!いよいよ授賞作の発表となります!



まずは小説部門から。大賞作は 新潮社芦沢央さんの『火のないところに煙は』です。
静岡書店大賞 実行委員の島原あきさん(戸田書店 静岡本店)からトロフィーを贈呈です。

この度はすごく素敵な賞をいただきまして、本当にありがとうございます。実は授賞式というものにこうして立たせて
いただくのは、初めて
ですごく緊張しているんですけども、今回の「火のないところに煙は」という作品は、ジャンルと
しては怪談ミステリーというようなジャンルで、私は普段ミステリーを主線場にして書いているのですけども、もともと
ミステリーよりも早くホラーとか怪談を読み始めていて、いつか絶対に挑戦してみたいなと思っていたジャンルだった
ので、今回挑戦させてもらえることになって、自分なりの怪談、自分なりのホラー、そのなかでどんなミステリーが
できるかというのを突き詰めて書いた作品です。

この作品が書けたのは、それまでに色々なホラーとか怪談に触れてきたおかげかなと思っていて、それがいろんな
書店さんとか、図書館でのたくさんの本の出会いがあったからだと思っています。

私は中高時代、だいたい5つくらい行きつけの図書館があって、そこで週に1回というよりは、だいたい3日に1回くらい
図書館に行って、その時借りられる上限ぎりぎりまで借りて、返すっていうのを繰り返しているような子どもでした。

大学生になってから
自分でアルバイトをできるようになると、まず書店に行ってそれまで何度も読んでは返して、また
読みたくなってはまた借りてっていうのを繰り返していた大好きな本たちをまず自分のものにしたくて買いました
書店さんに何度も行くようなるうちに、すごくいろいろなPOP(ポップ)だとか、特集だとか棚があって、そこでまた
新しい作品とか作家さんに出会うことができました。

ちょっと今回の受賞作とは話がずれるんですけど、私の著作に「悪いものが、来ませんように」という本がありまして。
実はこの本は単行本の時には全く売れなくて、文庫化してからも1年間はほとんど動かない、1回も重版がかからない
というものだったんですけども、書店さんで仕掛けてもらうようになってから一気にそこから24刷まで動くっていうこと
がありました。単行本の時から中身は全く変わってない…多少は変わってますけども、中身は同じものなんですね。

それが書店さんのいろんな仕掛けだとか、それによってこんなにも読者に届くようになるんだなっていう経験をさせて
もらって、こうやってわたしが書いているものは読者のもとに届くんだなっていうのを改めて感じました。
この「火のないところに煙は」も、すごくいろんな書店さんとか図書館さんの方々が、すごくおもしろい展開をしてくだ
さって、POPを裏表紙にあるシミをなぞらえたものを用意してくださったりとか、皆さんからアイデアを出して読者に
届けてくださっているということをすごく感じています。

だからこそ今回たくさんの書店員の方々、図書館員の方々にこうしてこの本を選んでいただけたということがすごく
嬉しく、光栄です。これからもこれを励みに1作1作全力で書き続けていきますので、今後とも力添え頂けたら嬉しい。


子どもの頃から読書家でいらした芦沢さん、その読書量が小説の力にもなっているのですね。書店の展開の仕方
で本の注目度が違ってくることを実感してくださっているのも嬉しかったですicon12静岡書店大賞が初の授賞式だそう
ですが、実は静岡書店大賞 小説部門の大賞受賞作家さんのご出席は3年ぶりで、ありがたいかぎりです。

続きまして、映像化したい文庫部門。大賞作は講談社 望月拓海さんの『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』です!
静岡書店大賞 実行委員の丸林篤史さん(谷島屋イオンモール志都呂店)からトロフィーを贈呈です。

静岡県の書店員さん図書館員さんにはこの1年本当にお世話になっていて、去年の12月に・・・すいません・・・
緊張していて喉が…(会場に笑い)

デビュー作を発売したのですけども、その時に書店まわりというのを初めてさせていただいたのですが、どの書店さんもほんとにたくさん推していていただいて、今日もこんな賞をいただき、これだけ新人の無名のデビュー作を
たくさんの書店員さんに応援して頂いていただけているというのは、本当に幸せなことだと思っています。今、3作
目の小説を書いているんですけども、静岡市を今度は舞台にしたものにしようかと想っているんですけれども(笑)

浜松市静岡市ってちょっと、ライバル感みたいなのがあるので、ちょっと言いにくかったんですけども、静岡県
全体で僕大好き
なので(笑)(会場から笑い)これからも応援して頂けたらと思います。


浜松、磐田でお育ちになった望月さん、まさにご当地作家さん。お優しい人柄も作品に表れているような。受賞作
には、浜松や周辺の名所がたくさん出てきますから、ぜひ映像化してほしいと願っていますicon14



続きまして、児童書 名作部門です。大賞作は、ポプラ社 なかえよしをさん/作、上野紀子さん/絵 『ねずみくんの
チョッキ
』です!静岡書店大賞協力委員 八木麻美さん(静岡県立中央図書館)からトロフィーを贈呈。著者の
お二方はご都合がつかず、ポプラ社 花立健(はなたて たけし)さんにご登壇いただきました。

「このねずみくんの絵本は来年で四十五周年になります。とにかく、シンプルなお話を作りたくて、絵の画材は
エンピツだけ。文章も、四〇〇字詰め原稿用紙、なるべく一枚以内。ねずみくんの他の作品も、そんな考えで
作っています。削れるだけ削って。絵には背景もありません。文章は、修飾語、形容詞や副詞を極力避けて
会話でと そんなことを勝手に自分に課して作っているのでした。こんな作り方でいつまで続くか? もう、限界
だなと思っていたところ、この賞をいただいて、もう少し頑張ろうと思っています。」

と、なかえ先生・上野先生の嬉しいお言葉を、花立さんが代読してくださいました。ご高齢の両先生、静岡書店
大賞受賞により、もう少し頑張ろうというお気持ちになってくださったとは、感激ですicon11先生方のこのコメント
を、ポプラ社さんが素敵なペーパーにしてくださり、ありがたいです。受賞作に付けて展開いたします!

続きまして、児童書新作部門の発表です。第3位は、白泉社 工藤ノリコさんの『ノラネコぐんだん アイスのくに
に決定いたしました!工藤ノリコさんはご都合がつかず、白泉社 森綾子さんに静岡書店大賞 実行委員の
宗形康紀さん(MARUZEN&ジュンク堂書店 新静岡店)からトロフィーを贈呈。森さんは、かわいいノラネコ
のヌイグルミと一緒です♪

 このたびは『ノラネコぐんだんアイスのくに』に賞をいただき、誠にどうもありがとうございました。このお話は、
ノラネコぐんだんがアイスを求めて寒いところへ行ったらどうなるだろう、と考えて作りました。
 また、小さい子ども読者の皆さんが、まるで自分の分身のように感じられるような新たな登場人物をえがく
ことで、より楽しく物語の世界に入れるようにと願って制作しました。
 小さい読者の皆さんと作者をつないでくださる書店のみなさまに、いつも心より感謝いたしております。深く
御礼申し上げます。これからも楽しい本作りを目指して頑張ります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
 このたびは本当にどうもありがとうございました。

シリーズで人気の作品ですが、「アイスのくに」はその中でも最高との呼び声が高いです。かわいいグッズも
出ており、ノラネコ人気、ますますヒートアップしそうですねicon68



続きまして、児童書新作部門 第2位は、アリス館 鈴木ノリタケさんの『ねるじかん』に決定いたしました!
静岡書店大賞 実行委員の秋山惠介さん(吉見書店 長田店)からトロフィーを贈呈です。

このたびは素晴らしい賞をいただきまして、ありがとうございます。書店員さんと図書館司書さんが選ぶ
ということで、そういう方に認めてもらえるっていうのは……一番いいのはね、最終の子どもたちに認めて
もらうっていうのが一番いいですけど、それにね、一番近い人たちに認めてもらうっていうのはまたそれ
にも勝る喜びがあります。

ええとまずです僕浜松出身なんですね。静岡書店大賞、今年7回目で初めて呼ばれまして。時間が
かかったなと正直な気持ち思いますがプレッシャーですかね?(会場から笑い)また来年もスケジュール
開けておきますから、ぜひよろしくお願いします(会場から笑い)

この本はですね、僕いま、子どもが10歳7歳5歳のまさに絵本適齢期と申しましょうか、子ども育てている
んですが、夜も読み聞かせとか寝かしつけとか、そこでの体験をほんとにこうその。ま、絵にしたというか、
そこから生まれた本なんですね。えーっと、子どもたちが眠りに落ちるか落ちないかの時になに考えてる
かよくわかんない時間あるんですね。こう寝かしつけして、寝たなーと思っても、いきなりガバっと起きて
「トリケラトプスぅ~」って言い出したりですね。

ほんとにそういう経験から「ねるじかん」のほうにもトリケラトプス出てくるんですけども、そういうほんとに
何考えてるんだろうなって思ってですね、もしかしたら大人の想像が及ばないような、ものすごく夢の世界
を遊泳する
ように楽しんでいって、ものすごく幸せに寝ているのかなっていうことをですね、想像しながら
描いた本です。ぜひね、皆さんそういうふうにあってほしいなと思うんですけども…あ、子どもたちが、多く
の子どもたちが。僕があんまり話するとよくないですかね?(笑)

大学時代によく金縛りにあいましてですね。金縛りにあったことある人いますか?あ。意外と少ないです
ね?あれ、疲れてると金縛りにあうんですね僕、金縛りにあったときに自分の想像したことが現実になる
んですね。頭は起きてるけど、体は寝てるって状況なんですよ。それでこう自分でこの金縛りにあったとき
に幽霊がでてきたら怖いなって思うと本当に幽霊が出てくるんですよね。それに僕気づきまして、金縛りに
あったときにですね。水着の女の人が出てきたらいいなと思ったんですね。そしたら出てきたんですね。
これ皆さん金縛りにあったときにぜひ試していただきたいです。

そうやって積極的に妄想するというか、楽しむということをしていくとですね、いいことがあるっていうこと
ですね。この本でも表現したいというか、ぜひそういうクセをつけるとですね、楽しいことがドンどん増えて
いくと思うので、そういうメッセージもほんとはちょっと、こもっていてですね、たくさんの子どもたちに読んで
欲しいなっと思っている本です。今日は本当にありがとうございました。

浜松出身の絵本作家さん、今ご自身もまさに絵本時期のお子さん3人の子育てをしながら、生まれたという
作品のエピソード、また、金縛りの体験談など、楽しいお話をたくさん、ありがとうございましたface03

そしていよいよ最後は児童書 新作部門 第1位!PHP研究所 ヨシタケシンスケさんの『おしっこちょっぴり
もれたろう
』に決定いたしました!静岡書店大賞 初代事務局長の高木久直さん(戸田書店 掛川西郷店
から、トロフィーを贈呈。このお二人、雰囲気が似ているようなface02

そういったわけで、ヨシタケシンスケでございます。このような賞をいただき、本当にありがとうございます。
皆様に選んでいただけたことを、とても嬉しく思っております。今回、賞をいただきました「おしっこちょっぴり
もれたろう」という本なんですけども、これはうちの当時4歳ぐらいの息子がモデルになっております。

当時息子がトイレから帰ってきましてパンツをはくとですね、こうじわ~~~と…男の子なんでね、拭かない
んでちょっと残っているんですね。それがパンツにじわ~~っとシミができてですね。それを見た嫁がため息
をつくっていう毎日を過ごしていたんですけども。その一連のやり取りを見ていてなんか面白いなと。それを
どうにか本とかにできたらいいんじゃないかな?と思ったわけですね。

それでおしっこがちょっぴり漏れて困っちゃう男の子の名前ってなんだろう?って考えた時に「おしっこちょっ
ぴりもれたろう」なんじゃないかな?って思ったところですね、イケル!と。これはもう中身が全然決まって
いない段階で、「おしっこちょっぴりもれたろう」っていう本が本屋さんにあったら、僕なら読みたいなって
思ってですね。

PHP研究所の阿部さんっていう編集の方に、話の内容はまだあんま決まってないんですけども、「おしっこ
ちょっぴりもれたろう」っていう本を作りたいと思うんです!って言ったら、作りましょう!って二つ返事でOK
を出してくださったおかげで、無事、今日こんなところに出させていただきました。本当にタイトルを言いたい
だけだったんですけども、それがこんなに素晴らしい場所で皆さんの前で、マイクにさっきから、おしっこ
おしっこ言ってますけども、してやったりといいますか、本当、作ってよかったなあと思っております。

結局、「おしっこちょっぴりもれたろう」ってどういう話だろう?って考えながら、おしっこがちょっぴりもれて、
そのことにちょっぴり悩んでいる男の子が、自分の仲間を探す旅に出るって話なんですけども。その中で、
どんな人にも他人(ひと)に言えない、他人に気付かない悩みっていうのがどんな人にもあるっていうこと
に、主人公のもれたろうが気づくって話にしたわけなんですけども。そういうところに、気づくような話に
できたらいいなと思ってつくりました。

私、本を作るときにその絵本のテーマっていうのが大人にも子どもにも興味・関連があるものであってほし
なって思ってまして、そういう意味で、おしっこしないって人はいないので、「おしっこちょっぴりもれたろう」
っていう本は、どこの世代の人にでも…関係はあるはずなので、そう言う風になってくれたらいいなと思って
作りました。なのでまさに今ちょうど現役でちょっぴりもれてる人たちとですね、かつて、ちょっぴりもれてた
人たち、そして今後、5年10年先にちょっぴりもれる予定の方々。そういった方すべてに楽しんでいただけた
らいいいなと思います。今日は本当にありがとうございます。


ヨシタケさんは第2回、第4回~7回と、児童書 新作部門の第3位までに入賞しており、ここ3年連続でお越し
くださっていて、感謝です。今回もとっておきのエピソードをお話くださいました。


すべての受賞作が決定し、受賞作家の皆様が前方に!副賞の どんどんオリジナルレトルトカレー
贈呈の様子を、代表してヨシタケさんのお写真にさせていただきました。



ちびまる子ちゃんも、トロフィーを持って一緒に記念撮影!今年は 一般読者の方々が2列目に(^^)/
記念撮影も無事終わり、静岡書店大賞 副事務局長の小川誠一さん(マルサン書店 仲見世店)から
閉式のご挨拶です。

本日はお忙しい中、大商談会そして静岡書店大賞に多くの方がご参加
くださいましたことに大変感謝しております。誠にありがとうございました。
そして吉見さん本当にありがとうございました。お疲れ様でした。

さて、来年も静岡書店大賞は開催される予定ですが、驚くべきことに、
末広がりの第8回目、そして新元号での開催第1回ということで、盛り
上がること間違いなしです。先月の27日に、天皇后両陛下が、静岡県
の掛川市にお越しになったのは、皆さんご存知かと思いますが、どうも
静岡書店大賞の件で戸田書店の高木さんと打合せするためだったとか
……(場外より高木さん 「聞いてない聞いてない」)聞いてないそうです
けども!何かサプライズとかあるんですか?…ないそうなんですけども。

人から人へ、静岡書店大賞はますます広がっていくと思います。そして
このご縁は来年へ引き継がれていきます。次年度開催の第8回 静岡書店大賞事務局長はMARUZEN
&ジュンク堂書店
 宗形さんです(拍手・宗形さん登壇)


そう、来年は新元号となりますねemoji08新たな気持ちで迎える来年、第8回静岡書店大賞の事務局長発表
とともに和やかに授賞式は終了、壇上で囲み取材が行われました。

1時間余りの授賞式、熱気あふれるロビーで、皆さん立ち見でのご参加、大変お疲れ様でした。
ありがとうございました。大人数で、会場の都合上、どうしても立ち見となってしまい申し訳ないですicon10

そして会場をシンフォニーに移し、18:15~19:45まで、懇親会が行われました。司会は、静岡書店大賞
実行委員の山本明広さん(BOOKアマノ 有玉店)です。写真がなく、すみませんですemoji07
開会のご挨拶は今年も「しぞ~か本の日!」実行委員長 江崎直利さん(藤枝江崎書店)より。

おかげさまで第3回大商談会、第7回静岡書店大賞の発表を開催することが
できました。お忙しい中お力添えをいただきました皆様に本当に感謝を申し
上げます。この会は静岡の単県ならではの手作り感を本当に大切にした会
でございます。それだけでなく、県内の書店や、図書館、それから読書の
ボランティアの方々、それから版元さんとか、取次さんとかと一緒に役割
分担をしながら読書人を増やそうとする、誠実なガチ集会でございます。

今回そういうことで、これからもこだわりたい二つのことがございまして
お話ししたいと思います。足がお疲れだと思いますので、できるだけ
早回しで話させていただきますので、お許しください。

先日県内に住む翻訳家の葬儀がございましたそこに昔1,2冊お出しになっ
たという版元さんが葬儀にお見えになっていました。それだけでわざわざ
いらしたのかと思いましたけども、でも、版元さんにとっては一冊の本を刊行
する
ということは、改めて考えてみますと、たくさんの方々が深く関わっている
こと
だという風に思います。つまり、本を媒介とした関係が構築された上での産物だという風に思っている
ところであります。その産物についてですけども、その良さや売り時をもっと分かる人間になりたいと思って
いるところでございます。

今こそですけども、この本を人が求めているんだ、求めているはずだと、本屋魂に火がつくような気持ち。その
ためにも自分の感性を磨きましてですね、版元さんも気がついていないような、人より先にそういう良さを見つ
けて、ささやかな満足感に浸ってみたい
なという風に思うところでございます。

もうひとつが、仕事を通じまして、いわば「何だか嬉しい」という気持ちを持てる日々を過ごすことでございます。
たしか福音館さんに、「何だか嬉しい」という瞬間を切り取った絵本がございますけれども、「何だか嬉しい」と
いうのはですね、なんとなくでもありませんし、ものすごくでもないし、何だか知らないけれども、体の中から
じわっと嬉しさを感じる
という、活力が出てくるという感覚が、一番気持ちとして体にいいんだという風に思う
ところがございます。

今回この会は女性パワーに本当に驚きました。吉見事務局長から、女性の実行委員、また書皮友好協会の
中西様、それからさくらプロダクションの井下様、無償で協力、それにはですね、「何だか嬉しい」という気持ち
でいっぱいになりました。

私たち書店なんですけども、店で同じ空気を吸っておりながら対面販売をしております。お客様が本で自分の
時間を豊かに過ごしてもらいたい
から、毎日この町で、この場所で本屋として働いてくところでございます。
この会にもしテーマを付けるとしたら、やはり「何だか嬉しい」だと思います。

これまで日々ダイレクトに本の内容とか、企画などの反応を感知することができました、毎日の売上スリップ
なくなりつつあります。だからせめて、ネットでは表現できない、顔の見えるからこその、共感と言いますか、
ありがとうを届けたい
という風に思っているところであります痛いのは困りますけれども、小さくてもしぶとい、
あの魚の目のような感じを見習いながらもうひと頑張りしましょう。今日は本当にありがとうございました。


続きまして、ご来賓を代表しまして、静岡県立中央図書館 館長 三科守様にご挨拶をいただきました。新しい
館長さん、商談会からご参加いただき、大変ありがたかったですface01

初めてお邪魔をさせていただきましたけども、商談会、授賞式の熱気には本当に
圧倒されました。最初に私の話で恐縮ですけども、図書館勤務の人間です。ですが
本は借りて読むよりも買って読むほうが多いです、ただ、買ってきて読まないで、
積んでおくことも多いです。たまに買ってきた本を置こうとすると、何冊か下に同じ
本があるんですね。呆れるんですけども、ま、さすがに前買ったからと返しに行
くのも恥ずかしいもんですから、そのままにしておきます。こういう場だから、あいつ、
社交辞令で嘘言っているんだろうと思われるかもしれませんけれども、本当に本を
買うのが好きな人間です。

さて、今ネットワーク社会の進展の中で次から次へと分刻みで洪水のように、様々
な刺激的な情報が個人を取り巻いております。迅速に時間をかけなくて簡単に
確認したい、知りたいことへの対応そういう点ではスマートフォンに代表される、
確かにこれは生活にもうなくてはならない一つなのかなと自分自身は思います。

ただ、断片的な情報というのは、やっぱりジグソーパズルに例えてみれば、
全体で100ピース必要とされるところ、ワンピースやツーピースを埋めるに留まることも多いわけではない
かと思います。一本、二本の木を見ても、それらが構成している大きな森を見落としたままでいるという、
未完成で中途半端な状態で知識が止まって、それで間に合わせてしまって分かったとなっているという、
自分自身もそういうところも多々あるのかなと反省するところではあります。

実際には政治の問題でも経済でも教育でも、人生や生き方でも、どんな流儀においても広く深く時間をかけ
て知識を得て、そのうえでさらに自分で考えて、他の人と話をしてみたりしながら、それでも最終的な答えが
見出せない、そういうことがたくさんあるわけですけども。

その過程で得た一里塚が個人の財産、心の豊かさ、さらには、全体としてのそこの地域、あるいは国家とし
ての文化力の根幹を作っているのではないかと思います。読書っていうのは時代がいかに変わろうとも、
時間を取られようとも、その根幹を育てるいちばん基本的な行為でありますもちろん楽しいという側面も
とっても大切だというふうに思います。

読書離れという言葉、そんなことばかり話題になっております。おもしろければですね、朝から晩までその
本を夢中になって読み続けているっていう人間も、統計を取っていないだけで、実際には結構いるんじゃ
ないのかな?目立たないだけなんじゃないのかな?という風に思います。

読書をして考えたり感動したり、あるいは他の人にその感動を伝えていく、そういう人はやっぱりいっぱい
いるんだろうな、つながりやそういう輪っていうものは広がっていくもんなんだろうなって思っております。

ネット依存という言葉、社会生活とか、生き方にとってマイナスの意味でつかわれる言葉あります。ただ
私がいまだかつて、読書依存こんな言葉ないのかもしれないけれど、たとえあったとしましてもね、それ
が社会的に問題になるということは絶対にないだろうと確信しております。

勿論待っているだけではやっぱりその垣根を取り払って本日のように出版社の方と販売店の方の緊密な
連携と協力あるいは書店のプロや図書館員の選んだ書籍を次世代へ積極的にアピールをしていく、さら
には本の内容が充実していることは当然ですけども、思わず手に取ってみたくなるような装丁であります
とか、あるいは売り場、あるいは閲覧室の配置の仕方など、やっぱり心がけていきたいなと思うところです。

様々な工夫試みを実践していく文化があると、かきたてていこうとする皆さんのエネルギー、今日は本当に
たくさんいただきました。私自身明日元気に変えていきたいなという風に思います。今日商談会そして授賞
式、大盛況だったと思います。おめでてとうございます。そして私自身とっても楽しませていただきました。
本当にありがとうございました。


本が大好き、ということが伝わるお話、そしてとても楽しんでいただけたとのこと、嬉しいかぎりです。今後も
図書館と書店が協力し合い、本の、読書の良さを伝えていけたらと思います。

いよいよ乾杯です。ご発声を㈱PHP研究所 取締役 瀬津 要様にしていただきました。

熱い思いを込めて運営されている実行委員の皆様に御礼を申し上げたい
と思います。先ほど聞き及びましたところによりるとですね、7ヵ月前から
準備を進めてこられたと。大変な労力をかけられましてこの日を迎えられ
たんだなという風に思います。

それは熱い思いがあってこそということで、去年も感じたんですがこの授賞
式に出席させていただくとこの熱い思いっていうのが本当に伝わってきて
ですね、出版事業に携わる一人として大きな元気をいつもいただいており
ます。本当にありがとうございます。

本日受賞されました皆様方、関係先の皆様方、誠におめでとうございます。
心よりお祝いを申し上げます。幸いにいたしまして弊社PHPもヨシタケ先生
のおしっこちょっぴりもれたろうで児童書部門一位を頂戴することができま
した。わたくしも大好きな一冊です。


と、実行委員への労いのお言葉、熱い思いが伝わったとおっしゃっていただき、感激ですface05




会場内では、前方に、静岡市のSDGsコーナーと「静岡市はいいねぇ」の大きな看板、後方に、ロリエたこまん様の「ちびまる子ちゃんパッケージ アマンド娘」の販売と、さくらプロダクション・ドリームプラザ ちびまる子ちゃんランド様による、さくらももこさんの原画&ちびまる子ちゃん・コジコジのぬいぐるみの展示、静岡書店大賞のグッズ販売も。さまざまなコラボで会場は盛り上がりました。また、お世話になった皆様、ありがとうございましたicon12

そして何と!宴もたけなわの頃、先ほど さくらももこさんへの感謝状を受け取ってくれた ちびまる子ちゃんが懇親会会場にも再登場してくれました!ちびまる子ちゃんのお隣で、集英社の 仲川広樹さんに一言いただきました。中川さん、ありがとうございました。ちびまる子ちゃんとのツーショット、最高ですface03

締めの挨拶は、静岡書店大賞 実行委員 事務局の丸林篤史さん(谷島屋イオンモール志都呂店)より。

静岡書店大賞のノベルティが販売してございます。お帰りの際は、皆様お買い上げのほど、
よろしくお願いいたします。皆様のご協力を賜り、今年も無事に静岡書店大商談会・静岡
書店大賞授賞式開催することができました。誠にありがとうございます。

すでに静岡の店頭ではこちらの受賞作6作品が並んでいます。こちらの作品を静岡の県民
読者に届けていくこと
、これが私たち静岡の書店員・図書館員の使命となります。これから
頑張って販売して展開していきたいと思います。

7回目を迎えた「静岡書店大賞」です。今年もさらにパワーアップすることができました。今年の
キーワードとして、県民読者と一緒に楽しもう!そう思って、今年は5月から活動を開始しました。
さくらももこ先生への感謝状の贈呈を先ほどいたしましたけれど、静岡市やドリームプラザの
皆様のご協力を賜りまして、開催することができました。ちびまる子ちゃんも来ていただきまし
たが、先ほど田辺市長もご紹介くださいましたが、静岡市のさくらさんのブックカバーを作成
いただきました。静岡の書店の垣根を越えて、同じブックカバーを配布したいなぁと思っています。
ならびに集英社様のお力添えを頂戴しまして、ちびまる子ちゃんそしてコジコジのイラストの
入った栞
を頂戴することができました。誠にありがとうございます。静岡限定の栞を皆で配布
していきたい
と思っています。

また県民読者と一緒に書店大賞を楽しもうということで、先ほどの授賞式では、一般読者の方々
も参加
してくださいました。また、新たに読者レビューコンテストを開催しようと思っています。
こちらは本を販売するときにレビューコンテストの紙を配布し、読んでいただいたお客様に書いて
いただき、それを書店で改めて回収し、いいコメントはPOPにして使って、書店店頭を活性化して
いこうという新しい試みであります。内輪で開催するだけでなく、静岡の県民と一緒に盛り上がっ
ていく書店大賞を作っていこう
と考えています。5月から7ヶ月間くらい議論を重ねてまいりました
が、静岡書店大賞事務局では、他法人の書店員と一緒に何度も打合せを行いました。商談会
実行委員会と称して、販売会社の皆様とも、静岡県書店商業組合の皆様とも議論を重ねてまいり
ました。 静岡書店大賞をさらに楽しくしてくためにも静岡県に住んでいる皆様と共有できる新たな
試みを今後もどんどん大きくしていきたい
と考えております。

私はいつもこの場で思うことがあります。皆、立場は違いますが、本 で繋がることができて
います。その想いがこの力が、静岡県で静岡書店大賞をさらに大きく、県民の皆様へ届けて
いくことができる。そう確信しています。

本日お集まりの皆様とも同じです。ご縁あって「本」で繋がることができます。皆様とともに静岡
でもっと面白いことができるんじゃないかなぁと思っています。ぜひ静岡で一緒に面白いことやり
ませんか
。どうぞ静岡書店大賞事務局までお声がけください。来年ももっと面白いことを考えて
いきたいと思います。

最後に本日は静岡にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。この取り組みが来年も
もっと先まで続けていけるよう、皆様と共に歩んでまいりたいと思います。
何卒お力添えのほどよろしくお願いいたします。


素晴らしい締めのご挨拶でした。丸林さんのおっしゃるとおり、立場は違えど、「本で繋がる」ご縁、思いが、
大きな力となっています。今年の静岡書店大賞は、盛りだくさんゆえ、例年以上に多くの方々にお世話に
なり、感謝の念にたえません。引き続き、受賞作、さくらももこさん作品を力を入れて販売してまいります。
そしてこの思いを、2019年につないでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  

Posted by 静岡書店大賞SST at 19:322018年 第7回 静岡書店大賞

2018年12月05日

第7回 静岡書店大賞



お待たせいたしました!12月4日(火)16:50~18:00、第7回 静岡書店大賞の授賞式にて
受賞作品が発表されました。受賞作家さん・出版社さん、おめでとうございます199

「しぞ~か本の日!」として、取次の垣根を越え合同で行っている商談会・懇親会と一緒の
開催となり、今年が3回目。会場も昨年と同じ、葵タワーのグランディエール ブケトーカイ
さんです。授賞式の様子等は、後日改めて掲載させていただきますねface22

今年も素晴らしい作品が選ばれました。県内の書店、図書館でフェアを開催していきます。
また、今年は受賞作品の「読者レビューコンテスト」を行います。応募期間は12/5(水)~
1/4(金)までの1ヵ月間です。優秀賞には図書カード等の景品が!静岡県民の皆様、ぜひ
受賞作品をご購読→読者レビュー投票をよろしくお願いいたしますemoji02  

Posted by 静岡書店大賞SST at 12:182018年 第7回 静岡書店大賞